自販機が創出する新たな需要

日本は「世界一の自販機大国」といわれています。
普及台数では約650万台といわれるアメリカにはかないませんが、490万台で世界第2位です。
人口と比較したところでは42人に1台の高い普及率となり、世界に並ぶ国のない堂々の第1位です。
さらに、一つの販売機で温かい飲み物と冷たい飲み物を提供できる高い技術力を誇ります。
一方で、この普及台数は2000年の560万台をピークに、年々減少傾向にあります。
要因としては、コンビニに現れたレジ横の淹れたてレギュラーコーヒーです。
来店者の約6割が利用するほどのヒット商品となり、缶コーヒーの需要を侵食しています。
また、人口の減少も要因と言えるでしょう。
自販機を設置するベンダー企業では、売上の上がる場所への設置を重視し、不採算ロケーションの自販機の撤去やより売り上げが見込める場所への移設を行っているのが現状です。
しかし、2019年から感染拡大が続く新型コロナウィルスの影響で、自販機の存在が見直されつつあります。
それは、ボタンを押すだけで商品が提供できる「非接触」型の自販機。
自販機普及台数のうち、清涼飲料水を取り扱う自販機が全体の約6割を占めていますが、食品を扱う自販機の台数がじわじわとその割合を侵食しています。
この勢いに乗じて新規路線を開拓しているのが、コロナ禍で打撃を被った飲食業界です。
キャッシュレス決済機能を搭載した自販機は、高額商品の提供を可能にしました。
消費者の生活様式の変化から、自販機は新たな進化が始まっているのです。